海外での話し 5
マリンは結婚がいよいよ近づいたある日、喜びを隠し切れない様子で珍しく少し雄弁に将来の夢などを語りました。
「私も彼も信仰はとても大切なことだと思っているの。子供が生まれたら信仰心のある優しい子になるように育てたいわ」
そういって、祖母から贈られたという少し黄ばんだレースのベールをそっと箱から取り出した。
もちろんミサに使うベールです。
敬震であることと、エレガントであることが必ずしも矛盾しないというのもまた一つ、フランスという国の不思議の一つであるが、その意味では敬慶なマリンもだからといって「世俗を軽んじる」ようなことは決してなかったのでした。